温泉とランニング

ランニングを始めて1年3ヶ月。はじめは2kmくらいをゆっくり走っても、「もう無理・・」と思っていた。

今日は10日ぶりに走った。17.6kmを1時間42分41秒。1kmを約5分50秒というペースになる。ゆっくりキロ7分ペースで走ろうと思いスタートしたが、どうも気持ちとしては、少しでも早くと思ってしまうようだ。

ランニングを始めた頃は、いつも決まった道を走っていた。ただ、同じ道は飽きてしまう。せっかくだから、新しい発見も欲しいと思い、いつも違うコースを考えるのが楽しい。こんなところにアウトドアの店があるとか、こんな閑静な住宅街があったのかと発見しながらゴールを目指す。

去年の夏くらいからだろうか。15kmくらいを走る場合は、ゴールは温泉(銭湯)にするようにしている。走り終わった後に、熱い風呂とサウナ・水風呂を繰り返すのが、とても爽快だ。帰りは公共交通機関で30分くらいで帰れる場所を探す。

まずはゴール地点である温泉をチェック。だいたい15kmから20kmくらいの距離にあるのがベスト。その温泉には、サウナがあることが一つの条件になる。また、週末はどこのスーパー銭湯も混んでいるため、平日休みに行くとゆっくり入れるのがいい。

ゴールを決めたら、そこまでの行き方(道のり)や時間配分を決めて走り出す。途中で道を間違えてもGoogleマップが教えてくれる。今はツールを使えば、いくらでも最短距離でゴールに辿り着くことも可能だ。ただ、必要以上に正しい道を確認しなきゃという意識が働いてしまうのも、どこか現代っぽさを感じてしまう。それは、決めた時間通りにことが進まないことへの焦りの様なものだ。

勉強している、あるいは読書をしている人は、何かしらのゴールを設定するのが普通だ。しかし、脇道に逸れて、興味の対象がずれていったとしても、それはそれでよいのではないか。

現代人のみならず、タイムトライアルの世界で生きていくには、最短距離で最速スピードで走り抜けることが求められる。どんな形であれ、いち早くゴールに着いた人間が勝者という価値観が、そうさせるのかもしれない。勝つか負けるかの世界では、当然と言える。

ランナーにとって、温泉というご褒美があると、長い距離でも頑張れる。決して速さだけではなく、完走するためのゴールだ。最短距離でなくとも、決めた時間の中で、走り続けた者だけが得られるご褒美としての温泉。これはトレーニングには、必要な条件かもしれない。

レーニングとしてのランニングを楽しみながら、そして5月のレースでは、その成果を出したいと思っている。そのゴールは温泉ではなく、相対的な順位や過去の自分との勝負になる。